つみたて投資のメリット・デメリットを正直に話します|FPパパの本音

最終更新日 2025年9月1日 by ooddee

こんにちは、FPパパの高橋です。

38歳のサラリーマンで、経理の課長をしながら、妻と小学生の子ども2人と横浜で暮らしています。

FPの知識も活かして、コツコツと「つみたて投資」を10年間続けてきた結果、資産1,500万円を達成することができました。

…と、ここまで聞くと順風満帆に聞こえるかもしれませんね。

実は僕も、社会人3年目に流行りの個別株に手を出して、なけなしのボーナスを半分にしてしまった苦い経験があるんです。

「投資は怖い」「損をするんじゃないか」。
その気持ち、痛いほどよく分かります。

だからこそ、この記事ではキラキラした「儲かる話」だけではなく、FPとして、そして同じ子育て世代の一人の父親としての本音で、つみたて投資の本当のメリットと、始める前に必ず知っておくべきデメリットを正直にお話しします。

この記事を読み終える頃には、あなたがつみたて投資を始めるべきかどうか、冷静に判断できるようになっているはずです。
一緒に学んでいきましょう。

Contents

【FPパパの本音】僕が個別株で失敗して「つみたて投資」にたどり着いた理由

社会人3年目、流行りのテーマ株で味わった挫折

あれは社会人3年目の冬でした。
当時、世間ではあるテクノロジー関連のテーマ株が大きな話題になっていたんです。

「今、これに投資すれば大きく儲かるらしいぞ!」
そんな同僚の言葉に、僕の心は簡単に踊りました。

投資の知識もほとんどないまま、なけなしのボーナス30万円を一つの銘柄に全力投資。
毎日株価が気になって仕事が手につかず、少し上がれば喜び、下がれば絶望する…そんな日々でした。

結果は、わずか半年で株価が半分に。
「投資なんて自分には向いていない」と、15万円の損失を抱えて、僕は株式市場から逃げるように去りました。

なぜ「つみたて投資」なら続けられたのか?3つの気づき

あの失敗から数年後、結婚して子どもが生まれたことを機に、僕はもう一度お金の勉強を始めました。
そして「つみたて投資」という手法に出会ったんです。

参考: つみたて投資 1万円

個別株であれだけ苦しんだ僕が、なぜつみたて投資なら10年も続けられたのか。
それは、失敗から学んだ3つの大きな気づきがあったからです。

  1. 相場の未来なんて誰にも読めない
    あれだけ熱狂したテーマ株も、今では見る影もありません。プロでも予測が難しい相場を、僕のような素人が読めるはずがなかったんです。
  2. 時間を最大の味方につけることが重要
    短期的な値動きで一喜一憂するのではなく、長期的な視点でコツコツ資産を育てていくことこそが、僕のような普通のサラリーマンが勝つための唯一の道だと気づきました。
  3. 本業に集中できる仕組みが不可欠
    毎日株価をチェックする生活は、精神的にも時間的にも大きな負担でした。一度設定すれば自動で買い付けてくれる「つみたて投資」は、家族との時間や本業を大切にしたい僕にピッタリだったんです。

この経験があったからこそ、僕は一攫千金を狙うのではなく、「負けない投資」を最も大切にしています。

FPが解説!つみたて投資の5つの大きなメリット

それでは、僕が10年間実践して心から「やって良かった」と感じている、つみたて投資の大きなメリットを5つご紹介しますね。

① 運用益が非課税になる(NISA制度の活用)

通常、投資で得た利益(配当金や売却益)には、約20%もの税金がかかります。
もし10万円の利益が出ても、手元に残るのは約8万円になってしまうんです。

しかし、NISA(ニーサ)という制度を使えば、この税金がすべて非課税、つまりゼロになります。
10万円の利益が出たら、まるまる10万円があなたのものになる。
これは本当に大きなメリットです。

2024年から始まった新NISAでは、非課税で投資できる金額も大幅にアップしました。
国が「貯蓄から投資へ」と後押ししてくれている、今が絶好のチャンスなんです。

② 毎月1,000円からでも始められる手軽さ

「投資って、まとまったお金がないと始められないんでしょ?」
そう思っている方が多いのですが、全くそんなことはありません。

金融機関によっては、毎月1,000円や、なんと100円からでも始められるんです。
僕も最初は、おそるおそる月々5,000円からスタートしました。

大切なのは金額の大きさではありません。
まずは無理のない範囲で一歩を踏み出し、「投資に慣れる」ことが何より重要です。

③ 時間を味方につける「複利効果」

アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ「複利」。
これは、投資で得た利益を再び投資に回すことで、雪だるま式にお金が増えていく効果のことです。

例えば、毎月3万円を年利5%で30年間積み立てたとします。
積立元本は1,080万円ですが、複利の力を使うと、なんと約2,500万円にもなる可能性があるんです。(※金融庁のシミュレーション参考)

時間をかければかけるほど、この雪だるまはどんどん大きくなっていきます。
これこそが、長期投資の最大の醍醐味と言えるでしょう。

④ ドルコスト平均法で高値掴みのリスクを減らせる

「いつ買えばいいのか分からない」
これは投資初心者が必ずぶつかる壁ですよね。

つみたて投資は、毎月決まった日に決まった金額を買い続ける「ドルコスト平均法」という手法を使います。

これは、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになるので、自然と平均購入単価を下げることができるんです。
イメージとしては、スーパーの野菜が安い日にはたくさん買い、高い日には少ししか買わないのと同じですね。

この仕組みのおかげで、「高値で買いすぎてしまった…」という失敗のリスクを大きく減らすことができます。

⑤ 一度設定すれば「ほったらかし」でOK

僕が個別株に手を出していた頃は、毎日株価のチェックが欠かせませんでした。
でも、つみたて投資は違います。

最初に証券口座で「毎月〇日に〇円分、この商品を買う」と設定してしまえば、あとは全部自動です。
給料日に自動で天引きされる積立預金のような感覚ですね。

日々の値動きに一喜一憂する必要がないので、精神的にとても楽なんです。
僕にとって、株価を気にせず家族とキャンプに出かける時間は、何にも代えがたい宝物です。

【ここが大事】FPパパが正直に語る3つのデメリットと乗り越え方

さて、ここからが本題です。
どんなに素晴らしい投資法にも、必ずデメリットや注意点が存在します。
これを理解せずに始めると、後で「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

FPとして、そして投資の先輩として、正直にお伝えします。

① 元本割れの可能性がある(銀行預金との違い)

まず、絶対に覚えておいてほしいこと。
それは、つみたて投資は銀行預金と違い、元本が保証されていないということです。

購入した金融商品の価格が下がれば、あなたが積み立ててきたお金が元本を下回る「元本割れ」の可能性があります。

何を隠そう、僕自身もコロナショックの時には、資産が一時的に20%以上も減少しました。
評価額を見るたびに、胃がキリキリしたのを覚えています。

でも、ここで慌てて売ってしまわなかったからこそ、その後の市場の回復局面で資産を大きく増やすことができたんです。
市場は短期的には上下しますが、長期的には成長してきた歴史があります。
暴落は「優良商品を安く買えるバーゲンセール」と捉えるくらいの胆力が、実はとても大切なんです。

② 短期間ではお金は増えない(マラソンのようなもの)

つみたて投資は、複利の力を活かして10年、20年という長い時間をかけて資産を育てていく手法です。
そのため、「半年後に車を買う資金を増やしたい」といった短期的な目標には向いていません。

始めてから数年間は、ほとんど増えていないように感じるかもしれません。
むしろ、マイナスになることだってあります。

つみたて投資は、ゴールテープを目指す短距離走ではなく、遠いゴールを目指してコツコツ走り続けるマラソンのようなものです。
すぐに結果を求めず、どっしりと構える姿勢が求められます。

③ 損益通算・繰越控除ができない

少し専門的な話になりますが、FPとしてこれは正直にお伝えしなければなりません。
NISA口座の大きなデメリットとして、「損益通算」と「繰越控除」ができないという点があります。

これは、もしNISA口座で損失が出てしまっても、他の課税口座(特定口座など)で出た利益と相殺して、税金の負担を軽くすることができない、という意味です。

「じゃあ、NISAは不利なの?」と思うかもしれませんね。
でも、考え方を変えれば「だからこそ、NISA口座では大勝ちを狙うようなハイリスクな投資ではなく、負けにくい長期・分散・積立投資が鉄則になる」ということです。
このデメリットを理解することが、NISAを正しく使いこなすための鍵になります。

メリット・デメリットを踏まえて|子育て世代の「負けない」つみたて投資戦略

メリットとデメリットを理解した上で、僕たち子育て世代は具体的どう動けばいいのでしょうか。
我が家の戦略を例にご紹介します。

まずは生活防衛資金を確保しよう

投資を始める前に、必ずやってほしいことがあります。
それは、万が一の事態に備える「生活防衛資金」を、預貯金で確保することです。

病気やケガ、会社の倒産など、人生には何が起こるか分かりません。
そんな時に投資資産を切り崩さずに済むよう、まずは生活費の半年〜1年分をすぐに引き出せる普通預金などで確保しておきましょう。

この「安全基地」があるからこそ、心に余裕を持って投資という冒険に出ることができるんです。

我が家の目標設定(教育資金と老後資金)

次に大切なのが、「何のために、いつまでに、いくら貯めるのか」という目標設定です。
ゴールがなければ、マラソンは走りきれませんよね。

例えば、我が家ではこんな目標を立てています。

  • 教育資金:長男が大学に入る10年後までに500万円
  • 老後資金:夫婦が60歳になる22年後までに2,000万円

このように目標を具体的にすることで、毎月いくら積み立てれば良いのかが明確になります。

NISAとiDeCoの使い分け【FPパパ流】

目標が決まったら、制度を賢く使い分けます。

  • NISA:いつでも引き出せるので、教育資金や住宅購入の頭金など、ライフイベントに合わせた資金作りに向いています。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):原則60歳まで引き出せない代わりに、掛金が全額所得控除になるなど税制優遇が非常に大きいので、老後資金作りに最適です。

我が家では、NISAで教育資金を、iDeCoで老後資金を準備する、という形で役割分担をしています。
投資する商品は、どちらも手数料が安く、世界中の株式にまとめて投資できる「全世界株式インデックスファンド」をメインにしています。

よくある質問(FAQ)

最後に、僕が友人や同僚からよく聞かれる質問にお答えしますね。

Q: 毎月いくらから始めればいいですか?

A: FPとしては「家計に無理のない範囲で」というのが答えになりますが、僕自身は手取りの10%を目安に始めました。
でも、まずは月々1,000円でも大丈夫です。
大切なのは金額よりも「始めること」と「続けること」。
今日が、あなたの人生で一番若い日ですよ。

Q: 損するのが怖いです。元本割れのリスクはどれくらいありますか?

A: 投資である以上、元本割れのリスクはゼロではありません。
しかし、金融庁のデータによれば、全世界の株式に20年間、積立・分散投資を続けた場合、元本割れしたケースは歴史上ほぼゼロに収束します。
僕もコロナショックで一時的に資産が減りましたが、淡々と続けた結果、今はしっかりとプラスになっています。

Q: どの金融機関(証券会社)で始めるのがおすすめですか?

A: 手数料が安く、商品のラインナップも豊富なネット証券がおすすめです。
僕が使っているのはSBI証券ですが、楽天ポイントが貯まる楽天証券なども人気がありますね。
ご自身のライフスタイルに合った証券会社を選ぶのが一番です。

Q: 途中で暴落したらどうすればいいですか?

A: 何もせず、いつも通り淡々と積み立てを続けるのが正解です。
むしろ、暴落時は「優良な商品を安く買えるバーゲンセール」と捉えましょう。
僕もリーマンショック後の回復期から投資を始め、コロナショックの暴落時も買い続けたことで、資産を大きく増やすことができました。

Q: 教育資金の準備にも使えますか?

A: はい、使えます。
ただし、使う時期が決まっている教育資金は、必要になる5〜10年前から、徐々にリスクの低い預金などの割合を増やしていく「出口戦略」がとても重要です。
我が家でも、子どもの大学進学が近づいてきたら、NISAの一部を計画的に現金化していく予定です。

まとめ

つみたて投資のメリットとデメリット、いかがでしたでしょうか。

最後に、この記事でお伝えした大切なポイントを振り返ってみましょう。

  • つみたて投資のメリット
    • 運用益が非課税になる(NISA)
    • 少額から始められる
    • 複利の力で雪だるま式に増える
    • 高値掴みのリスクを減らせる
    • 一度設定すれば「ほったらかし」でOK
  • 知っておくべきデメリット
    • 元本割れの可能性がある
    • 短期間では増えない
    • 損益通算・繰越控除ができない

個別株で手痛い失敗をした僕が10年間も続けられたのは、つみたて投資が「再現性の高い、負けにくい投資法」だからです。
特別な才能や知識は必要ありません。

大切なのは、時間を味方につけて、市場に居続けること。
そして、日々の値動きに惑わされず、自分の決めたルールを淡々と守ることです。

この記事を読んで、「これなら自分にもできそうかも」と少しでも感じていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

まずは証券口座の開設という小さな一歩から、家族との豊かな未来に向けた長いマラソンを、一緒にスタートしませんか?

あなたの人生が、お金の不安から少しでも解放されることを、心から願っています。